アフリカのイメージ、40代以上の私達には幼少の頃に、
ユニセフなどから知らされた情報で「飢餓」「貧困」のイメージが未だに根深く残っていないでしょうか?
この一冊の本でそんなイメージはすぐに払拭される。そんな一冊です。
アフリカは今、
高度経済成長期にさしかかろうとしている。
日本の50~60年前、日本が辿って来た道を今辿ろうとしている。
人口増加による仕事不足インフラ整備の遅れ、
日本が知っている課題を多く抱えている。
だが、良い意味で法の縛りがあまりない、既得権益の少ない国々で
成人の殆どがスマホを持っているという。
日本のように段階的に経済成長をしてきたのとは違う、
「リープフロッグイノベーション」が起こっているという。
リープフロッグイノベーションとは
日本のキャッシュレス決済はアメリカや中国にくらべ普及は遅れているが、
アフリカと比較しても遅れている。
ケニアでは人口の7割、成人の9割がモバイルマネーを使う。
スマホにチャージしたチャージマネーをそのまま通貨として使う。
「M-PESA」と言って、もとはスマホにチャージした通話料です。
通話料は、日本では後払いが普通だが、
銀行口座をもっている人は殆どいないので、
プリペイド式で先にチャージして使えるようになるんです。
このM-PESAは、送金したり現金に払い戻ししたりできる。
つまりATM替わりになっている。
ケニアには、あちこちにM-PESAの代理店がある。
チャージしたチャージマネーはコンビニでもつかえる。
都市部のホームレスでさえ、小銭ではなくM-PESAを欲しがるそうです。
M-PESAのすごいところは、決済だけではなく、預金や与信もある。
送金は一回15万円
一日約30万円の制限つきではありますが。
与信が付けば、ローンも組めるので、
フルバンキングに近いサービスを銀行なしで受けられる
ディスラプティブイノベーション(破壊的イノベーション)といわれる。
通信キャリアのシステムのみでリテールバンキングサービスが実現された。
M-PESAなら、現金の紛失や盗難の心配はない。
スマホを紛失してもデータはサーバーにあるためだ。
日本では法規制があるので電子マネーの現金化はできない。
でも、アフリカではそういう法規制はない。
預金利息は元本保証で約6%の金利がつく。
中国のアリペイのようなQRコードも不要で、
銀行口座を作る必要がない。
なので、銀行システムや法規制ができる前にスマホが普及してしまったために
先進的な技術の浸透が
リープフロッグ(蛙飛び)イノベーション
が起きてしまったということなんです。
まとめ
アフリカに持つイメージは、その昔の
「飢餓」「貧困」→「資源」「安い人件費」
そんなイメージではあったのが、
この本では大きく印象を変えてくれることは間違えないでしょう。
良い意味で法の規制が緩いアフリカでは、イノベーションが
あらゆる業種で起きているのです。
IT×〇〇
成長をしているアフリカの国々では、ITをつかって
この課題をクリアしていっている。
先に書いた通貨のことも先進国が何年も浸透するまでに
時間を要したものもものすごいスピードで浸透する。
ITでイノベーションを考えている世界の企業は、
ほんの少しまえのコストダウンのための工場などとは考えず、
新しいヒットするITを使ったビジネスの試験的な市場として考えている。
そのビジネスがヒットしたら、先進国に逆輸入しようと考えている。
近い未来、アフリカ発のITを使った新しいビジネスが逆輸入されてくる日も
そう遠くはないかもしれませんね。
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