フラップ作り、工業パターンの修正の話

工業パターンってホント其々の工場によって様々な工夫があるんだよね。

フラップとか2枚合わせて中縫いして返すパーツなんかだと

表側になるパーツと裏側になるパーツを同じ型で裁断し縫い合わせたいところだが、裏側を少し控え気味に仕上げると綺麗

工場に発注してくるメーカーのパターンでは、裏側控えを入れてたものと分けてくる場合と同型で縫製の時に調整してください。のような場合がある。縫製しながら調整というのは、熟練の職人さんでもちょっと作業効率的にはよろしくないと。

作業効率よくするために

単純に裁断するときに裏側と表側のパターンを別々にする。縫い代の幅を変える。

表側10mm

裏側8mm

8mmで地縫いする。

表側が2mm多い分が表側にゆとりを持たせられるし、縫い合わさり厚みの出る分もこのゆとりの中に収まるとだろうという事で簡単にこういう対応にする。

裏側が裏地とか使う場合もある。よくあるのが、同寸で裁断したのにどうしても裏地が出てくる。。。とかだ。

しかし、縫い代に差をつけるだけで割と解消できるもの。

そして、フラップを本体に付ける際の注意だ。付け方は大体2通りだ。

パーツとパーツの接ぎ目から挟み出しになる場合がまずある。この場合はフラップの付け位置の縫い代は特に変えずに、表側も裏側も同寸で問題ない。

でも、もう一つの付け方で一度地縫いして折り返して、ステッチで抑える付け方の時だ。

生地が厚くなればより反り返ろうとすると力が働くのである。

そのまま、同寸で付けてしまうと薄い生地の時はそうでもないが、中肉のものであれば殆どの確率で反り返る。

どうするかというと、付け位置の縫い代に差を付けておく。表側に5mmも付けておけば十分だろう。

表側と裏側をぴったり合わせてみて(縫わなくても大丈夫)付け位置あたりで追ってみる。

すると、5mm差あったものが3〜2mm程度とかになる。すごく厚いものであれば、5mmのものもある。

これが折り返しする場合に必要な差寸になる。「折り返しに必要なゆとり分」という。余る分は後でカットすれば良いので縫い合わせの時に、この差寸を意識的に合わせて縫い込む特に中央付近は結構ゆとり分が足りなくなるケースがある。

平らなところにおくとなんか変?と思うかも知れないが、付けてみるとしっかり落ち着くのである。

はじめてのフィギュアスケート衣装の型紙作り

既製服の型紙作りとは違う。それはそうだ。用途が違うから。それに気づかされ続け、お借りできた衣装ではなんか良く理解出来ず、何故なら子供用のもので、大人ほどの激しい動きを想定されてはないと思う。基本的な作りは既製服のつくりとそう変わらない。

あまくみていた。

今回オーダーいただいたお客さんに限っての話だから参考までにだけど、既製服のような「ゆとり」を計算のうえで型紙にする概念は必要ないようだ。バストとかヒップに関しては少し小さいくらいで、ピタッとボディーラインが出るまで、伸縮性のある生地でトワル作りもするべきだ。

成長期の子の衣装だとはいえ、コーチ側からの要望は無駄な皺とかゆとりは演技、表現の妨げになると。普段の生活とは別世界で着るものなだと考え方を変えることにするべきだ。

そして、原型から展開していくというのもやめておいたほうが得策だ。原型には基本ゆとりが入っているもの。どうしても、利用したい場合はオーダーよりも1サイズ小さいものを利用するほうが良いと。Mサイズで最初に作ってみたものの、そんなに雰囲気が出てこなかった。装飾も入れていない、似ている生地でやっているからなのかも知れないが、普通の洋服感だ。

バックスタイルのウエスト付近に皺がある、布帛の服では少しゆとりがないと日常生活に支障が出る事になるが、衣装に関しては別もの。いかに美しいボディーラインを出すか?だろう。その為のパワーネットの2wayストレッチの素材。

ゆとりゼロまでにしても、素材の特性で3cmくらいは融通が効くみたいだ。

「キツくて演技に集中できないかも」

「できるだけ軽く」

様々なコメントを思い出しながらの作業。自ら、体験した事がないのは迷うポイントが多々あるものだ。

インナーを借りて、いろんな事に気付いた。百聞は一見にしかずだ。

「腕を上げ下げするときに違和感があるのは嫌。」

「解消できないなら、ノースリーブでも良い」

という意見も貰っていたが、袖付きが当初の予定。なのでインナーを借りてわかった。袖付けされてない。身頃から裁ち出しになっている。そして縫製されている場所が少ない。

生地の特性からすると部品を継ぎ合わせてフォルムを構成しているんじゃない。もっとシンプルで、ある程度のフォルムがあって、この素材が体にフィットしているんだなと。

もちろん縫製は殆どインターロックで縫われている。

とりあえず、元々の依頼通りの構成で袖継ぎのあるものをできるだけ動きやすく、アームホール下の厚みを取る為インナーのアームホールの形状を変更して表地と裏地は別々に。

サイズMのオーダーだけど、だいぶ削って7号くらいに。でも、素材が伸縮するので問題なくMサイズのボディーにも着せられてしまう。

後ろのくびれのところ。後ろ中心にファスナーを入れてるのだが、型紙では少し短めの設定で伸ばし気味に付けてみると、中々雰囲気は出た。

だが、これだけでは何かしら支障の出ることも考えられる。例えば、さっきも書いたけど、

「腕が上げにくい。」

なので、袖付けの無いものも用意してみることに。本番に使う生地の幅の都合もあるんで、前中心と後ろ中心接ぎになる。

T字

組み立てるとこんな感じに

肩のとこのシワが気になるところだが、実際に人に着せて動いて貰って、どちらの型紙が良いのか?だ。

誰かに教われるのなら進行も早いだろうが、知識とか経験は何度も試行錯誤して得たものがホンモノだ。と思う。

さて、どんな反応が出てくるのだろうか。

パワーネット生地を扱ったこと

パワーネットの生地はどう扱う?教科書みたいな明確な答えはないが、パワーネット生地を使って婦人服を作った経験から得た知恵を書こうと思う。

素材はナイロン製であるからめっぽう熱には弱い。スチームアイロンで縮みの多いものなら3〜4%は縮んでしまう。

用途がスポーツウエアとかインナーとして利用するのであれば、小さめにできて着用でフィットさせて着るという計算でできているものだが、婦人服の既製品として取り扱いになるケースだと、縮んだままではちょっと都合が良くない。特に丈縮みがあると裏地との兼ね合いがよろしくない。

量産体制で作る場合、寸法出しは命。なので、生地自体が加工中に縮んでしまう前に、ある程度縮む原因になる事を予め処理してから作り始めるのが得策だ。

まずは、

放反してあげる。放反とはストレッチの効いた生地なので少しでもテンションがかかっている状態で裁断すると時間の経過で繊維自体が元の状態に戻ろうとする。なのでテンションを緩和させてあげるのは必須なのだ。

ナイロンの繊維であるため加工中と仕上げのとき最低限のアイロンはかけることになるなので熱にめっぽう弱いので縮む、縦横2%は縮む。おおよその数値だが。

染色の状況とかで伸縮率が異なる。中間色(ベージュ系など)は、黒やネイビーのような濃色に比べて沢山縮む。なので、同じアイテムで色別の展開で作ろうと考えているのなら、色別に伸縮のデータをとってみることをお勧めする。

しかし、この素材を使った服つくりで一番驚いたことがある。

工場などの大量生産の際は、できるだけ仕上げアイロンや製造工程のアイロンなどで作業に支障、効率をできるだけ少なくするために放反以外にもスポンジング加工ということもしてしまう。これは、専用機械があるのだけれど、簡単にいうと生地の状態のときに沢山の蒸気をかけてすぐにバキュームで熱をとる。という工程で生地を縮めてしまうのである。アイロンで縮む前にもうこれ以上は縮まない状態にしてしまうのだ。

アイロン収縮のない状態で作って寸法的にも問題なしの仕上がり、ハンガーにかけ一昼夜たった翌日にびっくり、丈が伸びているじゃないですか。。。

なぜ気が付いたかというと、裏地表生地として使っているパワーネットには設計上で丈に差をつけているんです。2cmとかです。裏地が表生地から出てこないように。

で、その差寸に違和感があったんで計ったところ4cmの差に。。。

いろんな原因を考え、実験などもしてみたところ。そのパワーネット、スポンジング加工で縮ませた分が一昼夜で元の長さに戻っていたのでした。

おそらく吊るされていたことが原因ですね。

それからというもの、アイロンテスト以外に一昼夜吊るしておくテストも実行することになったのだけど。

これ、裏地をつける既製服で裏地との兼ね合いがあるからここまでシビアになるんだけど。

裏地をつける必要のないものであればここまでしなくても良いと思うけどね。

ジーンズリペアは独自の見解でチャレンジして

ミシンができると知ると、結構頻繁に聞かれるのがジーンズのリペア。

僕もそれなりにはジーンズは好きだ。ヴィンテージのレプリカのブームの頃、なんとか自分でも作る事ができないものか?と。まだ、インターネットと無い頃だ。ショップに通っては色々と眺めさせて貰ったものだ。結局は、ジーンズを縫うミシンがあって、裁断から仕上げに至るまで分業で出来上がっていくことを知った。

学生の頃に学んだパターンの知識とかは余り役に立たないなと。率直に当時は感じた。教えてくれた先生達にジーンズ好きがいないということもあるし、そもそも学校というものは平均的な知識や技術を覚えてソコソコ業界に入っていけるかな?というくらいの段階までのものだからね。

僕自身の持論だけど、縫製の仕事にかぎらないけどソコソコの知識は身に着けることはできると思うけど、人にお金をもらって提供できるようになるには、現場で実際やられている仕事を見て真似してみてどうしたらそれらしく出来るか試行錯誤してはじめて身についていくものだと思う。というか、思っている。

そして、「教えてください」「はい、こうです。」なんてことは、ない。技術者、職人さんは、それなりの努力でもって今の仕事をやられているものだから。

ジーンズリペアも僕はとりあえず、リペアされているジーンズをかたっぱしから見た。色んなリペアの仕方がある。

つまり、正解はない。

大体は、穴のあいたところの裏側からあて布をしてミシンでたたくケースだ。ジーンズの色に近い60番手の糸で縦方向にたたく。

裏のあて布だが、スレキやブロードを適度な大きさにカットしてあげて周りにロックミシンをかけて綻びないようにしたものをたたく。生地は柔らかいので自然でソフトな仕上がりになる。しかし、生地自体は、デニムのような厚いものではないので強度はさほど強くはない。

強度のあるリペアに接着芯を裏から当ててミシンでたたかれているものもある。

僕が、最初に見たことがあるリペアの仕方だ。

接着芯って?

洋裁を知っている人にしか知られない副資材なんだけど。普段は、服を作る際に、ブラウスでいうと襟などの裏側に熱をいれて張り付けるものです。

生地の強度を増させる為だとか、保形のためにだとか目的は様々なんだけど。

厚さも様々ある。厚いものの強度はかなりものなんで穴のリペアには良いと。

裏からアイロンで接着してやります。120度くらいの熱で糊がとけ張り付きます。ここにステッチをたたくわけだから。丈夫になるよね。裏から見るとこんな感じ。

 

 

 

少し、ゴワゴワっとした感じでも良いという。丈夫にリペアしてもらえるならというかたにはお勧めだ。

表側からみたらこんな感じになる。

1年間にリペアした場所も含めてミシンでたたいている。1年前のリペアの時はあて布にスレキを使っている。なので、大きめに今回は接着芯をあててリペア。

反対側の膝も同じ様にリペアする

下の穴は昨年リペアした部分。強度の強いあて布を当てリペアすると、あて布との境目に負荷がかかる
するとその部分が劣化し裂けてしまう。
最初から、大きな面積でリペアしておけば良いのでは?と、思うところだが、このリペアしながら
経年劣化と、つきあいながら履く。これが、ジーンズ好き、リペア好きの履き方の醍醐味だからね。

好きな言葉がある。

いつ聞いたかは覚えていないけど。

「1着の服を選ぶってことは、1つの生活を選ぶってことだぞ。」

ジーンズをリペアしてでも履き続けたいって方には、感じる言葉かもしれない。

昨年出会い、またリペアしにくるジーンズを見ると。なぜかワクワクする。一人の人間の生活を見てきた気がする。

リペアの職人も様々要ると思うが、自分の見よう見まねでやっているリペアで一人の人間の生活の一部になっているだけでもなんか得した気分だ。

リペアする糸の番手を少し変えて、1回目のリペアと2回目のリペアのステッチの表情に差をつけてみた。お客さんは、気が付いてくれるだろうか?

ベーシックなんだけどちょっとクセのあるのを目指した

De-function (Dosanko Ezotic Fanction)ドサンコ・エゾティック・ファンクションってブランドを作った。僕は、北海道人だから北海道人なりのアプローチがしたかったから。結果的には、いまのところ多くの人に広められていない。デザイン的なもので如何に表現するべきか悩んだりもしたが、雪のイメージ?氷のイメージ?どれを取っても抽象的過ぎて、伝えられる自信が無い。もっと単純なことで表現するのに出した一つの答えが、「玉ねぎ染め」。

なんのこっちゃ?だ。

草木染めの技法を使った染色のやり方なんだけど。使うのは、たまの中身じゃなくて外側の皮だ。料理するときに剥かれて捨てられているあれだ。

皮の中にある染料になる色素を沸騰させた湯で煮だすことで取り出すことができる。なんか難しく説明しているけど。

単純にお茶をいれるのと一緒だね。行程的には。大きな布を染めたいし、大きな製品だってやってみたい。当たり前に思うことだと思うけど、同じ価値観を共有してくれる人=ファンになってくれそうな人の好むものに応えたいからね。

札幌でそういう施設を利用できるのはあらかじめ知り合いに聞いておいた。札幌芸術の森クラフト工房だ。

https://artpark.or.jp/shisetsu/craft-kobo/

大きな寸胴、業務用のガスが使える。10:00~16:00まで貸し切りで¥1600で借りれる。

染めパラダイスである。

いや、なんか表現がキモいかもな。

湯を沸かして玉ねぎを煮たところがこれだ。

とにかく、贅沢に色をとれるのが原産地からタップリ恵んでいただける特権で、あふれんばかりに煮出す。ちなみに、原産地は、札幌のお隣の岩見沢市から運んできた玉ねぎの皮だ。

煮出す工程を何回も繰り返すのは大変だと考え、単純に濃い原液なる液を作って保管しておこうと思った。お茶を煎れる工程から想像して、玉ねぎの皮茶なるものはないのか?探ってみたらホントにあった。健康茶として飲まれている。

気になって自分でも飲んでみることに、この染め液を飲めば良いでしょ?となるところだが、実際に飲まれている皮茶の皮は有機栽培の無農薬のものらしい。使う目的が違うし、無駄にお腹をクダスのも間抜けなので、ちょっと口に含んでみたくらいだ。って、飲むんだ。。。実際に販売されているのもの買って飲んではみたのだけど。

https://product.rakuten.co.jp/product/-/f96d1a0831b01e9bca3d9ba54a69053d/?scid=s_kwa_pla_dri&gclid=CjwKCAjw4NrpBRBsEiwAUcLcDDrkhI3T5D19kXQWFtN91l67BYOm68DE8c0J4mMtoYy6FVyDi7tdlRoC_1kQAvD_BwE&gclsrc=aw.ds

おいしいとは言えないかな。でも、中の身よりも栄養価が高いらしい。

さすがに、自分で集めてきた皮の茶より土臭さはなかった。

多少。

話が脱線してしまったが、北海道らしいベーシックになれたら。

「再生」「共存」がコンセプトだ。ホームページも作って。さてこれからなところまではできた。

http://de-function.com

ベーシックなTシャツが最初にできてきた。

「大地の色」 地球に優しいベージュが仕上がり。ケミカル染料は使っておりません。

すごく地味で、どこをどうWEBで伝えたら良かったのか今だにクエスチョンだ。

実物をイベントとかで触ってみてもらえると、ピンとくる方もいたのだけれど。

僕が伝えたかったのは、この土地にある材料で、日本古来からある日本独自の技法で今のグラフィックのデザインと如何に融合させ日常に溶け込ませられるか?だ。

「なんか、この色良いよね?」から、始まり。

じつは、北海道の大地で育ったものを原料に北海道の日常を新たな価値付けをしたいと。

農家さんがいて、アパレルデザイナーともコラボできる環境。

そんな、面白い都市を表現できても良いと思っている。

フィギュアスケート衣装-3

女子の仮縫い二回目が終了した。大幅に変更になることに。おおよその予想はしてきたものなので驚きは無いけど。既製服作りで固まっていた固定概念は一切捨ててのぞむ仕事。1回目の時は、伸縮性の無い生地で上手く確認が取れなかったとこから修正。

気になっていた点、ヒップ辺りでスカートに切り替えるところ。伸縮性のあるパワーネットとシフォン生地とを縫い合わせして果たして馴染むのか?そして、フィギュアスケートの衣装の顔になる後ろのラインがしなやかな線に出てくるのかを気にして。

実物の生地に近いパワーネット、前回とは違い楽々着ることができたが、着ることができないのは嫌だったんで、大人の9号サイズで用意してみたところだいぶゆとりができてますね。コスチュームにはゆとりは要らないもので。肌のようにフィットさせるのが良いとされる。成長した時のためにゆとりを入れておく必要はないみたい。丈の余ってる分も気になって、2cmくらいカットしたほうがよさそうだ。長めに切っておいたスカートも丈上げで調整して。ドレープ分はタップリと取っていたのだけど、彼女にはちょっと分量が多く感じてるみたいでこれも取り除くことに。マチ針を打って、余分な贅肉じゃないけど、布をつまんで。

横に入る皺は、単純に丈の余っている分。

少し突っ張るくらいでできているほうがピンとするものなのか?

いや、でも後ろ中心にファスナーをつけるから、そこは伸縮が出ないんで演技する時きになってしまうんじゃないか?など。ぶつぶつ考えてしまうわけ。

成長と、きれいなシルエットを作っていく関係で親御さんからの希望では浴衣じゃないけど成長をしたら多くとった縫い代を利用して解いて作り直してほしいと。しかし、気持ちは十分に理解した上で、パワーネットとかカットソーの特性を生かせる縫いはインターロックなどの縫いだ。故に、縫い代は細くなるしかない。

ここは、成長のことを考えて糸切れ覚悟の縫い方を選ぶか、機能性と美しいシルエットを選ぶか、折り合いをつけて本番生地で組み立てに入っていくしかないだろう。

本体の構成が仕上がるまで、なんか気分が浮かない。

自分が未熟なのか。とか考えてみたりもするが最初にも決めていたこと、「既製服で覚えてきたことは一度リセットする。」そう考えることで、素直にまた向き合える。

話は脱線するが、仮縫いで用意したこの生地が彼女にはお気に入りだったらしくこのまま再利用して私服にしたいとか言っていた。たしかに、色は普段着にしても良い色だと思う。

希望された内容を型紙に落とし込みの作業がこれからになる。

裁断に入る前に縫い代のことを決めてしまわないとならない。

シフォン生地の部分とパワーネット、カットソー生地の伸縮性のありなしの接続部は伸縮性のあるほうの生地を伸ばし付けにしたほうが、すこし遊びができて動きが楽になるのじゃないだろうか?と。

そこの部分は部分縫いをして確認作業になると思う。

今、ある道具と環境で最大限の衣装に近づけること。今、考えられるのはそれだけだね。

まさかの坂を下った後に

最初の繊維のお仕事を始めてから僅か3か月もしない、真冬の12月だったと思う。下った先には何もなかった。

とりあえず何も仕事をしないのは時間の無駄になるから。何でも良かった。というか、必要とされていれば。知り合いの紹介で、まず取り掛かったのは保育園の発表会の衣装だった。割と富裕層のお子様の多い保育園だったんで、しっかりと布で作ったものを求めていた。約30着弱。ベスト&スカートのバージョンとベスト&提灯ブルマーのタイプの物とだ。一人でサンプルから量産までやるか?

期間は1ヶ月くらいあった。

サンプルを早速用意して、園児に着せて特に修正の依頼はない。個人的に修正したいところに手を入れて。

そして、ここから少し考えてしまう。お見積もりだ。こういったケースの仕事は受けた事がないから。何というか、簡単。。に仕上がってしまう。

後々に、保育士さん達でも製作出来るくらいのパターンを意識して作ったことも影響して、ベストとかは外注さん工賃見積もりで800円で裁断込みで了承してくれた。4日間も有ればできるだろとのことで。

日当で、6000円だ。恐らく、レギュラーで抱えている仕事の進行が良くないタイミングに挟み込むスケジュールで考えてくれたのだろうと思う。普通にやれば2日で終わるだろうと納品の時言っていた。

ものを作る仕事というのは、皆んな一緒だとけど、ほんの少しだけ資材が足りないというだけで時間ロスなど色々なケースでスケジュールより遅れていくもの。なので、長年、個人で自宅などで請け負いのお仕事をされている職人さんは想定されるロス時間の相談を交えて仕事の発注をお願いすると、意外とうまくスケジュールを組んでくれるもの。

結局、衣装は保育園の希望する予算で請け負うことにした。1セット=2000円を希望してきた。

資材費は、別途で請求。30セットで60,000円。外注費が24,000円。自分のとこには、36,000円になる。最低でも、3日間で仕上げないとただのボランティアである。

保育園を出入りしていると、保育士っぽくない風体の人がいるので、父兄の中に何かのレッスンの先生ですか?と質問もあったり。でも、何も隠すようなこともないので今、自分のやっている仕事の内容などをお話ししたところジーンズのリペアの依頼などをいただくことができたりした。穴のリペア1か所=2,000円とかだ。

少なからず、ミシンで縫うご用命があれば何でも相談を受けるスタンスで。楽しいか楽しくないかと問われたら、それは楽しいことではないだろう正直なところ。

でも、仕事を納めてく度に感じるのは面倒で、かっこ悪くて自分でやるのは嫌だなって感じること。縫製に限らず。坂を下った先に見たのは、人の心にある嫌で面倒なこと。お金を払えば解決できるなら、払って解決してしまえば良いと思うことに目を向けてみる事に突破口、つまり、坂を上り始めるきっかけがあるのじゃないかと気づいたのだと思う。

確かに、自分で企画し社会に宣伝し認められ考えた商品を買ってもらえるのは嬉しいことだ。だけども、街を歩けば魅力のある商品は沢山ある、ネットを検索すれば更に。長年、作る現場にいた人間からの意見だが、作るのは簡単、でも、人の心まで誘導は中々できない。

もっと、世間の情報を知って精査するべきだと。

プリーツスカートを量産した記憶

プリーツスカート、そろそろ人気も落ち着いただろうかと思うこの頃。7,8年前に僕は縫製工場勤務でプリーツスカートの量産に携わる機会があったときの経験からの話です。

サイズをできるだけ均一に、サイズ別にどうやって作られているのか?なんです。ウエストなど幅の寸法は、単純にプリーツの本数で分けられる。丈は?となると。基本的にプリーツ加工される製品は型紙でジャストな大きさで正裁断されることは、ほぼないです。丈に関してはほとんど切り落とし分をつけて一回目の裁断がされます。プリーツをかける、プリーツの折り目をつけるといったほうが理解しやすいかと思うけど、加工の際に熱が加えられるので、繊維が熱で収縮してしまう。だから、ぴったりに裁断してしまうと決めていた寸法に足りなくなってしまったりするので、丈で2cmくらいは余分につけておくと安心。裁断は意外とアナログです。精工にCADとかでプリーツの幅だとか計算して本数を決めたりパターンナーは指示を入れてはきますけど。生地は糸が織り合わさって組織になってできているもの。重力にとても素直なもの。縦糸、横糸をまっすぐに通すことを怠ってはいけない。どうするかというと、切りたいパーツの丈を決めたら生地幅なりに切り込みを入れて生地を裂くんですね。ビビ~っと。

そして、生地を吊るすのです。「ケン張り」する。と、裁断士は言うんだけど、正確な漢字はわかりません。ググっても出てこないよ。工場業界用語なんで。「ケン張り台」とかいうお手製のスライドできる台とかに裂いた生地を何十枚も吊っておく。2時間も吊っていると裂いたとこが、床に直角にまっすぐになってる。そして、そのまま台をスライドさせて床に平行にさせて裁断することになるんだけど、裁断したものの生地の地の目がわかるようにどこか横糸でも縦糸でもわかるような裁ち方をしてあげるのが、プリーツ加工場と上手く連携していけるかの重要なとこ。極端な話、裂いただけの四角いままで加工に入れたほうが良いものもあるのだから。しかしデザインものの場合、加工は楽にできるかもしれないが、そのあとの正裁断が地獄の難しさになることになる。なので、後からの正裁断のやり方まで想定して、加工と正裁断の効率の良い平均値になる形を決めるのが妥当だろう。

プリーツのパーツは基本的には、スカートでいうと裾、端の処理は済ませた状態で加工に入れるもの。加工されたものを後から処理するのは量産の場合ではちょっと考えにくい。ルイス始末(纏り縫い)が多い。

プリーツ加工がされてきたものを正裁断する方法は?というと基本、手裁断です。一枚づつゲージを用意して切ったりプリーツの種類によって考えられますが、オートメーションだとか機械化とかは、ほぼ不可能に近いと。

プリーツといっても、何通りか種類はあります。代表的というか結構なじみのあるところでいうと学生の制服のスカート。クルマひだのプリーツ、これは同一方向にヒダがながれているものです。パーツどおしを接ぎ合わせるときは、プリーツの谷と谷の線を縫い合わせるのが一般的。縫い合わせた後に余分についている分を切り落とす。接ぎあわせたところはヒダの奥に隠れるので自然につながっているようにみえる。

アコーディオンプリーツというものもある。字のごとく楽器のアコーディオンのギザギザのところみたいな形状のやつです。加工に出すやり方は、さっき書いたやり方。

でも正裁断のしかたが違う。畳んだとき、床に平らにおけるものではない。扇子を畳んだ状態のようなものなので、裾始末された裾を持って長さを揃える。床に垂直に持ってタワミのでないようにする。そのままま、そっと置き決めていた長さになるよう作業台に目印をいれておくと、いちいち物差しとかで計らないでも済むので、その印を目安にロータリーカッターとかで切り落とす。裾からあわせて、タワミをとる作業をする際に気が付くと思うが、結構長さが揃っていないものだ。やはり、素材は繊維だから紙を折っているのとはわけが違うものだなと。現場でみる現状で知るものである。同じ素材でも、色によって加工後の縮率も違うのも出てくる。アコーディオンプリーツもこのように、一つ一つ手で裁断し微調整がなされていくもの。

接ぎ合わせは、車ヒダの場合と一緒でプリーツの谷と谷で縫い合わせる。

代表的なプリーツを二種の工程を話したけど、現場を見て思うのは何十年経っても作業の殆どが手作業であるということ。以前、若い友人に言われたことがある。「今の服って、生地を機械に入れたらほぼほぼ出来上がってくるものなんだよね?」って。

「全然だよ。」

型紙作り、裁断までは機械化が進んで効率的になっては来たのだけど。組み立てるのは人間の手ですから、要所要所には人の手、人の経験からの判断で出来上がってく術が左右されるもの。

一点の素晴らしい商品を作るのは素晴らしい事だと思う。

でも、その素晴らしい一点を多くの人に届ける為に、このアパレル業界の底辺なる人達が決して表舞台では知られることも殆ど無いだろう知恵と技術を日々駆使して働かれている事を、少し気にして貰えると。

なんか、低賃金問題とか日本の繊維に関わる人達も報われてく気がする。

寧ろ、報われて欲しい。

最初の繊維の仕事依頼

繊維を扱う仕事とは少し離れてみようと思って、外の世界へ飛び出してみたのもの。

結局は、離れてもやはり僕という存在が社会で必要としてもらえることは繊維を扱って何かを作る相談とか、実際に生地を持ち込んできて何かを作ってほしいとの依頼が多かった。

なので、世の大きな流れに逆らう理由もないから。

役に立つこと=仕事

シンプルに。深く考えない。最初にいただいた仕事の依頼は、子供用のバックパックの量産の相談だった。

ハンドメイド作家さんが、ハンドメイドブームに本人の予想に反してSNSなどでブレイクしてしまい。原料になる生地、付属資材の仕入れから工業パターンまでの相談だった。

素材は8号帆布(綿100%)

厚くて固い。バッグにする。衣料には向いてない。

大量の糊がついた状態で仕上がってきます。

依頼にこられた時に見せていただいたサンプルは、一般の家庭用ミシンで試行錯誤し縫われていたもので。

自分が10代のとき専門学校にいきたての夏休みとかに無理やり、何本も針を折りながら縫った記憶とも重なり。

なんか協力したいと思い協力させていただいた。

生地に対して使う針の選び方から。おそらく16番の針か18番くらいが妥当だろう。糸は30番手。

パターンの修正も工業用に変更していかないとならない、今のサンプルから見た感じではこの素材にしては重なる箇所が多すぎて。。。

ここは、何枚重なってるのだろう?

6枚?   これは、針が折れるな。。。

とかなんとか。できるだけ、デザインの変更にならないような縫製仕様を意識しながら修正してくのが工業パターンを作る上での最低限のルールだ。

デジタル化の増えていくこの業界だけれど、最終的に製品を組み立てるのは人間の手。

どんなに精工な計算で作られたパターンであろうと、組み立ては人間の手。

幸い、この素材は熱で縮むなどの伸縮に関しての問題はないもの。

いつもは、生地のアイロンテストをして縦横の縮率を割り出してくものなのだが。

あきらかに固く、ごわごわの生地なんで縦横の縮率0%。問題なく、裁断に入れる。

量産の裁断は、生地を重ねて裁断機などで何枚もまとめて切るのが通常。だけど特に設備もない現状、あるのはハサミとロータリーカッターくらいのもの。選んだのは、ロータリーカッターでの裁断。

男性なら、5枚は重ねて裁断できます。ストラップなどの細かいベルト類は纏めてなが~く切っておきます。まとめて縫って、最後にパターンの長さに切って寸法を合わせるので。一枚づつパターン通りに正確に切るのは、良い方法ではないのですね。量産の場合だと。縫製の効率も全然違ってきます。

ちなみに、5枚重ねて裁断は一日に5往復の裁断ですね。おおよそです。個人差はあると思うけど。

なので、1日25個分裁断できる。一個当たり500円の工賃はほしいところ。

だが25個では、量産といえる数ではない。本格的な裁断設備のある会社を探して巡りあるくこと1か月くらい。

裁断だけを請け負う会社というのも中々見つからず、ようやく閑散期だけ請け負っていただける会社がありました。100個以上の発注という条件で1個あたり200円で。

これはかなりのコストダウン。

縫製の職人さん一人で自宅で縫製を請け負っているかたにサンプルを持参し工賃交渉したところ1個=1800円くらいならうけおっていただけることに。

ただし、毎月30個以上を発注していただくという条件のもとで。

それはそうですよね。一日五個計算の一週間分の仕事と考えて54000円。最低限一週間の稼ぎは確保したいものですから。

裁断工賃と縫製工賃と合計で2000円で一つ作れることに。そして、ここからが結構重要でここから依頼主にいくらで販売するかで自分のマージン収入が決まってくる。荷物を運んだりする輸送コストもかかってくるものです。意外と、生地もまとまった量になると重さがあるんです。そして、反物の状態では、宅急便は使えない。佐川急便だとかトラック便とか。長物のなんちゃら。。とかで、送料も高くつく。

あれこれ考えるよりも、とにかく動かしてみることに。僕自身、縫製現場の経験もあるから裁断は外注して、とりあえず自分で縫ってみることに。どうやれば効率よく早くたくさん縫えるか今持っている道具で一個でも多く完成させることを目標にシュミレーションもしてはみましたが、調子の良い日で6個。普通にこなせて5個。

一日の売り上げでいうと。9000円。とても薄給(涙)。。。

一か月、毎日続けても20万の収入にもならないのだな。と。ゆえに、日本の縫製業界の若者の職離れの現実を身をもって知ることになりつつ。現状打開には、この作業に平行してもう一つの業務を受けていくか、この量産をもっと生産性の高いところに外注することで、できる時間でやれることを模索してこうと考えてくことにした。

自分で縫製ができて、デザインもできてと思う人間が最初の失敗を犯すのが大抵は、ネットショップを作って自ら販売をしてくという方法。僕も真っ先に思い付いたのが、それだ。まったく、迷う余地はないと思う。最も利益の上げやすい方法だしね。

でも、違うんだよね。何べんも何べんもショップに写真をアップしてSNSに情報を流してみても、趣味程度の活動にしか膨らんでいかないのね。

思いとどまり、僕の選んだもう一つの道は。作って売りたい人、でも縫製とかできない。でもオリジナルの服だとか繊維を使ったものを売りたい人をサポートしていく業務。

アパレルOEMとかかっこいい呼び名もあるけど。便利屋さんみたいなものだよ。最初の依頼をうけれたのは知人の紹介だった。

特に、僕は広告をだして仕事を集めようとしていたわけではなかったので、知人経由以外は仕事を依頼する人もなんだか良くわからないでしょうからね。

日々、縫製作業もしつつ、アパレル便利屋業務もはじめていくことになるわけなんだよね。

そして、子供用バックパックの依頼は急なオーナー側の事情で休止を告げられることになるんだけど。。。

まさかの坂が、そこにあったわけだよね。

フィギュア衣装-2

知れば知るほど。その仕事が好きになりません?

僕はといえば、フィギュアスケートについて考え直してみようと思った。

固定概念、洋服作りに対して長年の自分なりの考え方を一回リセットした方が良い。

衣装製作に既製服で得た凝り固まった考え方が足かせになるんじゃ無いかな?と、仕事に入る前の選手の女の子、コーチ、選手のお母さんとの何気なく交わす会話だとか、自分なりにネットから得た情報とか踏まえた上で

最もな方法があると思った。

あくまでも、衣装は競技の付属品で選手の演技、表現を際立たせる為のもの。決して、主役では無い。

ファッションショーや、展示会に出すものとは全く別の領域のものだ。

表現の主体が衣装では無い。

早速仮縫いの場面で思い違いが訪れた。

〜仮縫い→シーチングで〜

現物は、伸縮性の良く効いた素材なんでまるで確認作業は出来ない。装飾に使うモチーフをつけてみたが、全く雰囲気を確認できず。

直接、モデルの体に布を当ててやってみることになった。

〜シーチングで組んだトワル〜

結局は、体に当てて

ただただ窮屈でしか無い、伸縮性の良く効いた素材で仮縫いし無いと。

ちょっと冷静に考えたら、時間をかけない最短の道で行くなら…。

と言うわけで、パワーネットと言う素材で仮縫いを再開して最初に組んだのがバッグスタイル。

  

選手とコーチは揃って、バッグスタイルを強調してました。よくよく調べてみたらやはり、フィギュアスケート衣装にとってバッグスタイルは、前から見たスタイル以上に重要視されると言っても過言では無いとわかりました。

フィギュアスケートはバッククロスという滑り方、後ろ向きで滑るテレビの中継とかでも良く見られる感じね。

故に背中は大事なポイントです。

背中からお尻の中心に掛けてのV字のライン。

これも重要な線になるので、そのへんを踏まえて

 

スカート丈は、後ほど修正するとしてシーチングでやるより、遥かに。

そして、前はそれとなくドレープ感があれば良いらしく

 

どうにか、二度目の試着の支度ができたかな。というところで。

しかし、このパワーネットの特性をいかす縫い方でないとならない。

今のところ、道具は限られいて布帛を縫う為の普通ミシンとロックミシンの。これだけ。

ニット系の素材を縫うには、ロックミシンは良しとして、地縫いは出来れば伸縮についてくる丈夫な縫いと糸。

今回はもう一台ミシンを用意して、レジロン糸で縫いあげてみた。コンピュータミシンなんで、縫い方のメニューがたくさんある。

このボタンでやってみた

結構、問題なく縫えているみたいだ。

スカートブルーの脇は、短く。脚が綺麗に見えるラインのようだ。スカート丈はもっと短くなっていくだろうが、実際に着て貰えるまで中々気分が晴れ無いものだ。

そして、実際に使用する生地を裁断するまで。

綺麗なかたちにしてくまでが、辛抱の期間だと思う。

 

ベースになるおボディーができれば装飾作業に入ってく。ぶっちゃけ、最も作り手としては楽しみな作業だ。

だけど、装飾と選手の動きとの関係も良く打ち合わせしないとならないと。

あくまでも、競技の引き立て役の衣装だ。

氷上に写る絵画のような色になれるよう作業を続けてく。