
年末にご連絡をいただいたのは、もう7年来のお付き合いになる親子。
息子さんのフィギュア衣装だけでなく、お母さんの私服のご相談にも時々のらせていただいてきた、大切なご家族だ。
お母さんのお仕事の都合で、母と息子は離れて暮らす期間が長く、
今回の大会は、年末に帰省されたタイミングで親子が一緒に迎える“お楽しみ”だったそう。
最後に息子さんの衣装を作らせていただいたのは、もう3〜4年前。
その後は怪我などもあり、出場のタイミングが合わず、衣装制作もお休みしていた。
「以前の衣装を少し直せば使えるかも」
と、お母さんは裾出しで対応するつもりだったようで、年末に衣装を持参してくださった。
ところが——
久しぶりにお会いした息子さんは、まさに“成長期の真っ只中”。
身長もぐんと伸び、あの可愛らしい少年の面影を残しつつも、すっかり青年の雰囲気。
まずはパンツから履いてみると…まさかのサイズアウト。
太ももで止まるレベルの成長っぷりに、私もお母さんも思わず笑ってしまった。
続けて上着も試してみると、こちらも見事にアウト。
肩幅も胸板も、すっかり大人のそれになっていた。
「どうしましょう…」
と、お母さんがぽつり。
そこからは、年末年始の静けさの中で始まる、静かな衣装制作劇。
まさに“スケート衣装急ぎ”のご依頼だった。
そして、ここからが今回の“奇跡の一着”の話。
実は、今回の上着の生地は、お母さんが持参されたもの。
夏頃に「Tシャツに仕立ててほしいな」と思っていたそうで、
ずっと手元に置いていた生地だった。
年末に新しい生地を仕入れるのは難しく、
しかも今回はグラデーション染めなどの加工も希望されていなかった。
「この生地で、どうにか作れませんか?」
というお母さんの一言で、デザインを再構成。
希望されていた“カウドレープを半身に入れた感じ”を軸に、
この生地の色味と質感を最大限に活かして、仕立てていった。
結果的に、この生地があったからこそ、今回の衣装が完成したと言っても過言ではない。
パンツと手袋は、弊社の在庫生地から。
スタンダードな形ながら、本人の体に合わせて採寸し、仕上げている。
そして、完成。
大会は明後日。
この衣装が、親御さんの期待に応える演技を支える一助になりますように。





衣装についてのご相談承ります
このブログを読んで「もっと話してみたい」「相談してみたい」と思ってくれた方へ。
スケート衣装初めての方や、短納期でお困りの方からのご相談も多くいただいています。
僕の会社では、衣装制作、ファッション診断を軸に、広告などの現場に寄り添った取り組みをしています。
また、アラフィフ世代のライフスタイルや、マラソンを軸にしたファッション提案も始めています。
ご興味に合わせて、以下のLINEからお気軽にご連絡ください。
追記:制作の背景
今回の衣装は、5歳の頃からご縁のある男の子のために制作した四着目の衣装です。
小さな頃からずっとフィギュアスケートを続けてきた姿を見てきましたが、中学生になった今も変わらずリンクに向かう姿勢には、積み重ねてきた時間の重みを感じます。
これまでの間には、怪我で思うように滑れない時期もありました。
焦りや悔しさもあったと思いますが、それでも前に進もうとする気持ちを失わず、自分のペースで努力を続けてきたことが、今回の制作の中で強く伝わってきました。
年末には急なサイズアウトがあり、予定よりも早く作り直すことになりましたが、それもまた成長の証として受け止めながら制作しました。
この衣装に込めた想い
今回のデザインには、彼がこれまで積み重ねてきた“静かな強さ”と、怪我を乗り越えてきた芯のある意志を込めています。
中学生という変化の大きい時期に、自分の力を信じて前に進もうとする姿勢を、胸元のラインやシルエットで表現しました。
衣装はただの服ではなく、その子が歩んできた時間や努力の象徴でもあります。
長く続けてきたスケートの軌跡が、今回の衣装を通して少しでも力になれば嬉しいです。
















