【脱・90年代ブーム】成熟社会が古着に求める新しい価値観とフューチャーされるビジネスの方向性

先日、成熟社会のビジネスについての気づきについて書いていた。今回は続編というか、

自分の考えの整理でもある。我々アラフィフが最近は街で「古着屋」の店舗をよく目にするようになったのは、当時90年台の古着ブームを知る上で、

なんか懐かしいなとか。そう思えるようでもあるが、実は内容は少し違っている。

先日の記事はこちら

古着ブームの再燃が示す、時代の転換点

最近は、ファッション業界では古着(セカンドハンド)市場の成長が顕著です。

単なる「トレンド」として片付けられがちですが、この現象を成熟した市場・社会構造の変化」から

生まれる、必然的な消費行動として捉えるべきだと思う。

特に、90年代に巻き起こった古着ブームを知る僕らにとって、現在の注目が当時と「似て非なるもの」であることに気づくはずです。

本記事では、90年代の古着ブームとの比較を通して、成熟社会が真に求める新しい価値観を紐解き、未来のビジネスの方向性を探ります。

90年代ブーム vs. 現代の注目:消費動機の決定的な違い

90年代は、「本物(ヴィンテージ)」への熱狂と、それを見極めるマニアックな知識、そして財力が必要な側面が強くありました。

僕の経験では、札幌の某有名古着店のとても高い位置に値札ではなく「ASK」というラベルのついたリーバイスを思い出します。

触らせてもらう勇気もない小僧でしたので、当時はそのお店に行くたびに下から見上げて憧れるものでしたよね。

しかし、現代の古着の注目は、「誰でも手軽に」、かつ「倫理的に」ファッションを楽しむためのツールへと変質しています。

項目 1990年代の古着ブーム 現在の古着の注目(2020年代)
主な動機 憧れ、希少性、マニアックな知識 個性、倫理性(サステナビリティ)、流動性
重視された価値 ヴィンテージ(古い=価値)、高価格帯 サステナビリティ、ストーリー、価格の合理性
市場への態度 投機的・専門的 循環的・ライフスタイル化

成熟社会が古着に求める3つの新しい価値

現代の消費者が古着を選ぶ背後には、「モノの不足」が解消された成熟社会特有の、新しい欲求と合理性があります。

倫理的価値の追求と「罪悪感のない消費」

現代の消費者は、ファッション産業が環境に与える負荷を認識しています。古着を選ぶことは、新たな資源を消費せず、既存の寿命を延ばす「倫理的な解決策」です。

これは、「消費の罪悪感」を軽減し、環境への配慮をファッションという日常の行為を通じて表明できるという、成熟社会に特有の心理的な満足感を提供します。

「個性」と「流動性」を両立するホッピング消費

情報過多でトレンドが均質化しやすい社会において、古着は「他人と被らない一点物」として、強力な自己表現のツールとなります。

さらに、フリマアプリの普及により、「売ることを前提とした購入」という新しい消費行動が定着しました。

飽きたり、流行が変わったりしたら手軽に売却できるため、経済的な損失リスクが低く、多くのアイテムを試しながら楽しむ「循環型の消費(ホッピング消費)」が可能です。

これは、衣類を「流動性の高い資産の一部」として捉える合理的な思考の表れです。

「レギュラー」と「価値の分散」

90年代が一部の希少なヴィンテージに価値を集中させたのに対し、

現代は状態の良いレギュラー古着がブームの主流です。

ハイブランドの古着なども弊社のお直し相談にもあがってきます。

「なんかいい感じのを見つけたんですが。」「肩パットって。。。」

肩パット外してみたら意外と違和感なく今でも着れるよね。とか。

ラベルをみたら◯ーバリーでした。とかです。

マニアックな知識よりも、「今のトレンド」に合う着こなしや、リメイク・カスタムによる新鮮な価値が重視されます。

古着は、専門家だけでなく、誰もが気軽に利用できるファッションツールへと民主化されたのです。

未来への示唆:フューチャーされる活動・ビジネスの方向性

現代の古着市場の特性は、成熟社会におけるビジネスの核心を突いていると思いませんか?

フューチャーされる活動・ビジネスは、以下の3つの要素を満たす必要があります。

  1. 価値の担保と透明性の確保(信頼性): 二次流通市場において、製品の**信頼性(鑑定、修理保証、衛生管理)トレーサビリティ(追跡可能性)を保証する技術(例:ブロックチェーン)が不可欠です。倫理的価値を重視する消費者に対し、曖昧さのない情報開示で信頼を獲得します。
  2. 循環型消費(サーキュラーエコノミー)への組み込み: 販売するだけでなく、「買取」「メンテナンス」「リメイク」「再販」までをワンストップで提供し、消費者が意識せずとも循環型消費に貢献できるビジネスモデルが求められます。
  3. 倫理的価値を内包した体験の提供: 「環境に良い」だけでなく、**「自分らしさ」や「楽しさ」**といった感情的価値を融合させること。古着のサステナビリティと、リメイク・カスタムによる個性の追求は、この理想的な融合を実現しています。

成熟社会において、消費は「不足を埋める行為」から「価値観を表現する行為」へと進化しました。

古着ブームの背景にある新しい価値観を理解し、「倫理的」「循環的」「個別最適」

をキーワードにした活動こそが、未来の成功を掴む鍵となるでしょう。

終わりに

あなたの考える「成熟社会でフューチャーされる活動」の具体的な事例があれば、ぜひコメント欄で教えてください。

僕の会社では、衣装制作、ファッションの痒い所に手が届く仕事を手がけています。

また、アラフィフ世代のライフスタイルや、マラソンを軸にしたファッション提案も始めています。  

ご興味に合わせて、以下のLINEからお気軽にご連絡ください。

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