ブラックフライデーといえば先週、12月1日でしたね。
年々認知度も上がっているこの言葉ですよね。
2017年では30.9%の認知度だったのが
2019年以降は75%前後に推移。
2023年の調査では75.8%だと聞きます。
これに対して、「グリーンフライデー」とうい言葉をご存知ですか?
https://www.asahi.com/sdgs/article/15065373
(朝日新聞/2023年11月24日)
古着のファッションショーが話題に
ブラックフライデーの認知度に反して
グリーンフライデーの認知度は低いですが
あるニュースがきっかけで知るようになった方も多いのではないかと予想します。
それが、
フリマアプリを運営する「メルカリ」が11月24日に行った「古着のファッションショー」です。
「新作ゼロのサステナブルファッションショー」という名前でを東京の渋谷で開催されました。
内容はその名の通り、「リユースアイテム」をお披露目するイベント。
そこには、アウトドアブランド「THE NORTH FACE」を展開し、2022年にリセール事業「GREEN BATON」にも乗り出したゴールドウイン、
そして、古着店「RAGTAG」を手掛けるティンパンアレイ、
さらに、古着店「CIRCULABLE SUPPLY」を運営するベイクルーズの3社も加わり、実施されたのです。
イベントの主旨は「少し長くアイテムを使って欲しい」と循環型社会の啓蒙。
実際、メルカリを通じて着なくなった衣類を取引することによって、1着あたり約9.3kgの温室効果ガス排出を避けられ、
平均の使用年数は3.2年延びるそうです。
そうなのです、
グリーンフライデーとは大規模な安売りが過剰消費の原因となるブラックフライデーに対し、
持続可能な消費モデルを推進する活動。
フランスの電化製品リサイクル企業envieの呼びかけをきっかけに2017年頃から本格化し、
近年ヨーロッパを中心に広がってきているのです。
世界各国で見られる「グリーンの波」
アウトドアブランドの「パタゴニア」は2011年のブラックフライデーに合わせて、
ニューヨーク・タイムズに自社のジャケットともに「Don’t Buy This Jacket(このジャケットを買わないで)」というメッセージ広告を掲載。
2016年のブラックフライデーに全世界の売り上げ合計1000万ドル(約11億円)を環境保護団体へ寄付したことが話題になりました。
https://ideasforgood.jp/glossary/greenfriday/
(IDEAS FOR GOOD / Webサイト)
「IKEA」は2020年からブラックフライデーに代わり、
グリーンフライデーアクションとして自社家具買取サービスのキャンペーンを実施。
同年は15万5000点以上の自社家具を買い取り、修復後にアウトレット販売を行いました。
そして、日本でいうと上述のメリカリは2020年から古着のファッションショーを開始。
2021年には、ユーズドアイテムの購入を通じて持続可能な消費の体験ができる「サステなストア」を期間限定でオープン。
売上は、全額「メルカリ寄付」に登録されている慈善団体などに寄付されています。
ちなみに、メルカリが運営するリコマース総合研究所の今年の調査では、
「リユース品で買って好きになったブランド・メーカーの新品を買った」と回答した人は9.4%。
https://www.businessinsider.jp/post-278844
(BUSINESS INSIDER JAPAN / 2023年11月24日)
2022年と比較して2.0ポイント増えています。
また、リユース品を通じて「これまで知らなかったブランド・メーカーを知った」人も20.3%で、
前年比で4.0ポイント増加。
つまり、一見するとリセールと、
新作を売るアパレルメーカーは競合しそうですが、リセールが存在することでのメリットもある。
そうしたことが、メルカリと(古着のブランドがあるとはいえ)アパレル3社がショーで組んだ素地をつくっているのでしょうね。
このように、グリーンフライデーの波は少しずつ広がってるのです。
もちろん、セールを通してお客さんの懐に優しいブラックフライデーを実施することも1つの選択肢だと思います。
要はどのような哲学を持ち、スタンスを決めていくのか。
多様化する時代の中で、選ぶ覚悟が必要となるでしょう。
来年以降の展開にも、ぜひ注目していきたいと思います。