今回は「ウエストサイド・ストーリー」の衣装をお作りさせていただきました。
1950年代の若者のカルチャーを想像させる衣装ですよ。
制作前にまずは世界観が共有できるように映画で確認ですね。
すごく偶然というか2021年にスティーブン・スピルバーグ監督がリメイクでこの作品を
彼なりの演出で公開してくれましたよね。
非常に、感じるものが随所にありましたよ。
当時のニューヨークのウエストサイドに、夢や成功を求めて
多くの移民が移住してきて暮らしていました。
決して皆が裕福ではない環境。
若者たちは社会への不満を抱えていました。
そんな若者たちは同胞でチームを作り、
移民同士の小競り合いを。
物語は、敵対するチームの元リーダーと
対立関係にあるチームのリーダーの妹が出会い
お互いが惹かれ合うとこから展開されるわけなんですけど。
今回、男の子(11歳)がフィギュアスケートでトニーを演じる訳で
ご依頼をいただいたのですが。
リンク上で輝ける要素を色々模索してみました。
希望の生地がデニムを使ってアメカジみたくだったので
デニムはアメリカを感じるものなので、ニューヨークのウエストサイドを感じるにはちょうど良い素材ですよ。
ですが、そもそもは作業着の素材です。
リンクの上では男は光輝くような演技を期待したいし
トニーになりきれる衣装を提案することがこの依頼の根本ですよね。
フィギュアスケート衣装では必須のストーンをどう組み合わせるのか考えた結果
今回はこのようにお作りさせていただきました。
デニムは全てテープ状にカットして
生地端はフリンジ状に
土台にパワーネットを。デニムはパワーネットに叩きつけているだけなので
パワーネットの縦横に伸縮する効果は完全には消されない。
インナーのロンパースは、着用した時にジャケット下に
白いTシャツを着ているように。
この辺はアメリカンな演出で。
肩のところで糸ループ止めしてあるので
脱ぎ着もしやすと思いますよ。
背中のウエスト位置にベルトをつけています。
ヴィンテージのデニムジャケットとかよくこういう位置にベルトなど付いているので
50年代の洋服の感じを入れてみました。
あとは、このボタンですね。
最後の仕上げにボタンは付けられるんですが、
これが付けられた瞬間にその服の顔が急に変わって見えたりするものです。
スクエアタイプを選んでます。
さて、演技をもっと後押しできる衣装に仕上がっていくんでしょうか。
ここからは演者の彼にバトンを託します
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