
今回ご相談いただいたのは、以前にも制作をお手伝いしたお客様。
アイスダンスで使用する衣装を、手持ちのバレエ用レオタードを活かしてリメイクしたいというご依頼でした。
納期は約1週間。
「できればこのレオタードを使いたい」「スカートがついていれば嬉しい」「仕上がりはスッキリと」
そんなご希望からスタートしました。
色合わせから始まる“リメイクの設計”
まずはレオタードとサンプル帳を並べて、色と素材の相性を確認するところから。
今回のレオタードは、ラベンダーのような柔らかい色味。
既成のパワーネットで完全に同じ色を探すのは難しいと予想していました。
そこで、お客様から出てきたアイディアがとても素敵で。
「濃いパープルと淡いパープルのパワーネットを重ねてみるのはどうですか?」
若い子の発想は本当に柔らかくて、こちらが学ばされることばかりです。
透ける素材の特性を活かした、色の重なりが美しいスカートになりそうだと感じました。

バレエレオタードを“リンク仕様”に変える工夫
バレエ用レオタードは胸元が透けるデザインが多く、そのままリンクに立つと少し寂しく見えてしまいます。
そこで今回は、
ヌード色のパワーネットを内側に据える
というご希望をいただきました。
このヌード色を一枚入れるだけで、
「フィギュアスケート衣装らしさ」が一気に出てくる。
これは衣装を作る側としても強く共感するポイントです。
テーマは「葬送のフリーレン」
演じるための衣装をどう形にするか?
今回のプログラムは「葬送のフリーレン」。
魔法使いのイメージを連想させるような、静かで強い世界観。
アイスダンスは競技でありながら、彼女は“演者”でもあります。
衣装はただ着るものではなく、演じる力を引き出すもの。
さらに、アイスダンスには相方がいます。
リフトの際にスカートが邪魔にならないか、
滑りやすい素材ではないか、
動きの妨げにならないか。
こうした細かな条件を満たしながら、
テーマの世界観を壊さず、演技を支える衣装にすること。
これが今回のリメイクの核心でした。
リメイクだからこその制約と工夫
今回はファスナーなどの開きがないレオタード。
つまり、脱ぎ着のしやすさを考えると、
ストレッチ性のある素材でスカートを作るしかない。
この制約の中で、
色・重なり・動き・軽さ・世界観
すべてを両立させる必要がありました。
最終調整は“着用した状態”で
スカートの丈は、着用した状態でしか正確に判断できません。
ご来店いただき、実際に動いてもらいながら丈を微調整。
リンクでの動き、リフトの動き、スピンの広がり。
それらを想像しながら、最終の長さを決めていきました。
そして無事、納品。
お顔出しは控えたいとのことで、
今回は ビフォーアフターの衣装写真のみ 掲載します。
(途中段階の写真になります)
リメイクは“新しく作る”とは違う難しさがある
既存の衣装を活かしながら、
テーマに寄り添い、
競技の特性に合わせ、
演者としての魅力を引き出す。
リメイクは制約が多い分、
「どう活かすか」という発想力が問われます。
でもその分、
お客様と一緒に“答えを探す”楽しさがある。
今回もたくさん学ばせてもらったリメイクでした。
ご相談、お問合せ
「こんなこと相談していいのかな?」という小さな疑問や不安でも、
どうぞお気軽にご連絡ください。

















