
副題:“晒さない価値”を言語化するまでの記録 Vol.2
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「らしさ」の棚卸し──過去の自分と、これからの自分をつなぐ作業
前回、「パーパスを掘るとは、過去の自分との対話だ」と書いた。
その対話を続けていく中で、ふと気づいたことがある。
それは、「自分らしさ」は、意外と自分では見えにくいということだ。
たとえば、僕にとって当たり前だった「人見知りの人が安心して相談できる場づくり」や「一人でも気兼ねなく行ける場所づくり」。
それは、誰かにとっては“特別な価値”だったりする。
でも、自分の中では「そんなの普通じゃない?」と思ってしまう。
だからこそ、あえて“棚卸し”という作業が必要になる。
- どんな時に心が動いたか
- どんな言葉に救われたか
- どんな場面で「これだ」と思ったか
そういう記憶をひとつひとつ拾い上げていくと、
「らしさ」は、過去の自分が何度も選んできた“無意識の選択”の積み重ねだと気づく。
流行に縛られない自分の軸を探す
衣装制作に至るまで、僕はずっと「自分が好きなものを突き詰めて作れば、どこかで欲しい人が現れて、口コミや評判で仕事が広がっていく」と信じていた。
でも、それは半分正しくて、半分勘違いだったのかもしれない。
ファッションの仕事は「流行に敏感でなければならない」という先入観に支配されがちだ。
この思い込みが、服を作る本当のパーパスを見つける邪魔をしてきた。
流行のものを作るだけがファッションではない。
むしろ今は「個人の主張」ができる時代だ。
だからこそ、必要なのは“らしさ”を言葉にして、自分の軸を見つめ直すことだと思う。
「らしさの棚卸し」とは、過去の自分が選んできた小さなこだわりや、譲れなかった瞬間を振り返る作業だ。
それは流行に左右されない、自分だけの価値を見つけるための灯りになる。
一点ものが教えてくれること
僕が「らしさ」を強く感じるのは、一点ものの衣装を作るときだ。
その人の、その時間のためだけに存在する服。
それを作ることは、ただのモノづくりではなく、その人の時間をお手伝いすることだと思う。
そこに、技術者として、デザインをする人間としての価値を見つけた気がした。
自分にとっては当たり前のことでも、他の人にとっては特別だったりする。
「こんな服を着たら、自分をどう見せることができるのか?」
「この瞬間をどう彩ることができるのか?」
その問いに寄り添うことこそが、僕の“らしさ”なのかもしれない。
終わりに
「らしさの棚卸し」とは、自分の当たり前を振り返り、それが誰かにとってどんな価値になるのかを見つめ直すこと。
流行ではなく、自分の軸を言葉にする作業です。
では、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
- あなたが「これが自分だ」と思えた瞬間はいつでしたか。
- 誰かに感謝されたり、褒められたりしたときの行動は何でしたか。
- 疲れても心地よく続けられることは何でしょう。
- 流行に左右されず、あなたが選び続けてきたものは何ですか。
その答えを、ぜひコメントやコミュニティでシェアしてみてください。
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