アーツ・アンド・クラフツをこの頃になって深く考えました

そもそも、「アーツ&クラフツ」って何

アーツ&クラフツは、19世紀後半のイギリスに興った「美術工芸運動」

ヴィクトリア時代のイギリスに、芸術と工芸を一致させようとする目的の運動です。

ヴィクトリア朝のイギリス。当時は、産業革命から起こった商業主義による大量生産によって、粗悪な商品があふれました。この状況を批判して、中世の手仕事の美しさや職人技を基礎として、中世の美化を目的とする「民衆の芸術」運動が起こったのです。なんか、昨今のハンドメイドブームに少し似てるのかなぁ?と、感じてる自分なんですが。大量生産の商品全てが悪く、ハンドメイド作品全てが優良だと言う訳ではないんですけど。

アーツ・アンド・クラフツの主導者は、ウィリアム・モリス

★ウィリアム・モリス〜詩人であり、デザイナー

1861年に彼が友人ら(建築家、美術家)と設立したステンドグラスや家具、壁紙などを扱うモリス・マーシャル・フォークナー商会が運動の起点とされてる。

その後、モリスは単独でモリス商会を設立しました。

モリスは、モリス商会でアートディレクターとして、ステンドグラス、刺繍、カーペット、壁紙などの商品を開発。

植物の模様の壁紙などが有名。

彼は、生活と芸術の一致を目指しました。

彼の著書『生活の美』において「有用とも美しいとも思えないものを家の中に置いてはいけない。」と述べています。

僕個人の意見でも、身に付けるものにしても同じくらい意味があって。言葉を借りて言うなら「有用とも美しいとも思えないものを身に着けてはいけない。」と思います。

モリスは、質の高いインテリア製品の量産体制を作った初めての人であり、そよためモリスは商業的なモダンデザインの先駆者とも呼ばれてます。

1880年代に運動は、ロンドンを拠点に複数のグループによる社会的な芸術運動に発展し、やがてイギリス全土に拡大しました。

1887年にはアーツ・アンド・クラフツ展覧会協会が設立され、第一次世界大戦までのあいだ定期的に開催されました。1891年モリスは会長に選出され、「当協会の課題は、商業的な仕上げではなく、真に芸術的な仕上げによる実用品の装飾に、人々の注意をひきつけることだ」と。

「ジョン・ラスキン」がモリスに指針を与えた

モリスは、芸術と自然との協調関係を重要視しました。美しいものは、自然と一致し、自然を促進するが、醜いものは自然に逆らっており、自然の邪魔をしていると語りました。また、芸術が作り手にも使い手にも理解されることを望み、芸術による労働の喜びを説きました。

果たして、言葉だけで理解しているかどうかは人其々だと思いますが、自分的には腑に落ちる点はある。素材で言うと、天然素材は殆どひとを傷つける要素は少ない。ナチュラルさを意識した素材を活かすデザインの服は、万人に受けいられやすいと、思う節がある。

モリスの芸術論に指針を与えたのが、ヴィクトリア時代を代表する美術評論家のジョン・ラスキン。『ヴェニスの石』におさめられた『ゴシックの本質』という建築芸術論だそうです。

ラスキンは、ゴシック建築の細部を見て、この職人はこれを作った時に幸福であったかと問います。

作った人の心境を感じ取れる作品?商品?これを伝えている仕事を出せているのか?自問自答する僕です。

自らも、職人として働く時もあり、マネージャーとして職人の仕事をサポートする時もあり。デザイナーとしてゼロから企画を作る時もあります。

この運動の本質を調べていくと、単に産業革命の量産品を否定し、芸術性のある工芸品を見直そうという運動では無いなと考えさせられます。

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