アパレル業界、地球環境、労働環境負荷は見過ごしてはいけない

person in brown button up shirt

最近は明るみになってますよね。

衣料品の廃棄問題。

僕の暮らす北海道には、ごみを捨てる施設で

じゅんかんコンビニというものがあるんですが、

じゅんかんコンビニにも「衣類」のコーナーがあるほどですから。

もうすでに身近な話です。

では、洋服を選ぶときに基準にしてるのは何です?

「流行」「価格」「品質」

今、40代50代の人は感じているかもしれないですけど、

「若いころに比べて、服安くて良いもの増えたよね。」

でもね、そこには深い闇があるんですよ。

どうして、僕がそんなことを書くのか?って、

僕自身、国内のアパレル生産工場に勤めた経験もあるし、

国外の工場も多少は知っているからね。

人は着ることで喜びを感じることができる唯一の動物ですから、

「この際、深い膿は出しちゃって原点回帰したらどうなの?

ってくらいに思ってる。

決して、アパレル業界をディするつもりではない。

廃棄される新品の製品

年間でおおよそ10億枚、世界レベルではなく、

日本国内のお話。

シーズン前に見込みで生産された4枚に1枚が

ゴミとして廃棄になるのです。

ゴミを大量発生させる理由

生産の構造上に闇があります。

製造原価を圧縮するには、大量生産でコストを圧縮しなくてはならない。

現状で、国内の工場で大量生産するにはコストがかかる。

と思われがち、実のところは、

そんな大きな工場自体すでに閉鎖されていたりする。

さらに、若い働き手もいないわけで、

かなりの高齢化に。。。

働き手も多く、製造コストにかかわる人件費も安い海外にへと

生産拠点が移っていったわけなんです。

製造コストが圧縮できたから、

シーズンイン前に用意した在庫がすべて

売れなくても粗利益がたくさん含んでいるがゆえ

売れ残っても廃棄にしても良い。

売れ残って、倉庫などに保管しておくと

会社の会計上、在庫にする製品は課税対象となるので

廃棄して廃棄費用として処理する。

ざっくりですけど、こんな構造があります。

なぜこの構造になっていくのか?

衣類が、皆さんの手元に届くまで

アパレル産業というのは非常に分業化された工程を経ています。

各工程、各々の工場なり工房に生産や仕入れの

最低ロットなる決め事があったりします。

市場のニーズ=最低ロット

というのはないですね。

気づいた人もいるかも知れませんが、

この工程の各部門での

製品になる前(原料の段階)でも少なからず

ロスが生まれています。

もちろん、残ってしまった資材が何かに利用される例は稀。

殆どは、廃棄されていきます。

違う会社間を経由されていくので

輸送のコストもかかります。

バーゲンになっても利益を確保するには、大量に海外で生産する

バブル崩壊以降、お財布から洋服に出せる金額も

減ってきた90年代

お財布にやさしく

買ってもらえる価格に設定するには

コストの高い国内ではなく、海外の

当時は人件費の安かった中国へと、

そして南下して、今では東南アジアの

ベトナムや、バングラデシュ、ミャンマーなど

聞きますよね。

洋服の品質に「日本製」「made in japan」

なかなか見なくなりました。

2000年代なかばには、ファストファッションの台頭です。

消費する我々からしたら、

「なんてありがたい!」

なわけですが。

現状は、

供給過多

供給>需要

この構図が毎年、毎シーズン。

いつでも

「SALE」

こんな看板や張り紙、街中に。

販売シーズンの細分化

気候が読めない。

今までは、4シーズンの展開。

ですが、10月になっても寒くならない。

6月なのに寒い。

業界では、

シーズンを8シーズンに分けて企画をはじめました。

売り上げを作らないといけないメーカーの気持ちからすると

致し方がないと、

なにぶん、洋服好きは人より先に

シーズンになる前に良いものを求めるのかもしれませんが、

一般的に、寒いだとか熱いと感じてはじめて

行動するものです大多数の人は。

気づけばバーゲン時期。

だから、消費者も

ちょっと寒いのは我慢して

「バーゲンまで待とう。」

こんな感じになるわけです。

ファッションブランドは、ブランド価値が落ちるのを嫌います

2018年 イギリスの高級ブランド「バーバリー」

当時ニュースになったことで、世界的にも衣料品の廃棄問題に関心が向きました。

バーバリーは、決算報告で3700万ドル(約42億円相当)相当の

売れ残り商品を焼却処分したことを明らかにしました。

ブランド価値を下げること=バーゲン

賛否はあるものの

ブランドとは価値をなくすことを非常に嫌います。

高級ブランドとは言わず、国内の中堅ブランドでも

似たような例が、ないわけでもなさそうです。

拡大する被害

アパレル産業が、自動車などの重工業に比べて

軽工業であるからといって環境への影響はそうでもない。

女性でもできる力仕事でもない。

と思ってるかたも少なからずいるのかも知れない。

でも、実のところは知ってほしい。

環境問題 水の大量使用 Co2の排出

製品が糸からはじまり、店頭に並ぶまで

たくさんの会社を経由してやってくることは

前に説明した感じです。

普段着ているTシャツが1枚できるまでに、

なんと約3000リットル弱もの水が使用されています。

綿花の栽培から始め、

栽培地にも差はありますが、

1キロの綿を作るのに1万~2万リットルの水が必要。

そのあと

染色でもたくさんの水を必要とします。

全生産プロセスで使用する水の85%が、

染色で使われ

1キロの繊維を染めるのに必要な水の量は、

100~500リットルと言われいます。

そして、廃棄する際に

焼却処分になるのですが、

当たり前のことですけど、燃やした分だけ有毒ガスが出ます。

今更言うのもナンセンスですけど、

「Co2排出量の削減」は、

世界的な目標です。

じつは、アパレル産業全体の

製造⇒販売⇒消費⇒廃棄

に至るまでの工程で排出されるCo2の排出量は、

石油産業に次ぐ第二位なんです。

人権問題

製造コスト削減のために

途上国の人件費の安い国の工場で作るという

のが、業界では当たり前になりつつあり、

その闇が明るみになった有名な事故はご存じでしょうか?

2013年のバングラデシュでの事故

倒壊の危険性があると国から指導のあった

ビルに縫製工場がありまして、

壁や柱にひびが。。

もちろんそこで働く従業員たちも怖い。

工場のマネージャーは、従業員に

「仕事に戻らなければ解雇」

解雇を恐れ、出勤した従業員たちが

ミシン作業を開始、ミシンの振動や

その他の機械の振動がビルを倒壊させたと聞きます。

もちろん、多くの死者、負傷者を出しました。

この日本国内でさえ

「外国人技能実習生」という

制度を使い、なかば人権侵害な労働を強いている

縫製工場もある。

国内にもある。

彼女ら彼らの立場を

巧妙に操作し

15時間労働

時給240円

月収10万程度ですよ。

その収入から、寮の家賃、食費

この日本でもそのようなことが普通に行われている。

余談ですが、先日読んだ小説、

フィクションなので話はぶっ飛んでますけど

空気間は感じれる

未来への対策

いかがでしょうか?

アパレル産業の、衣類在庫、廃棄問題はなかなか一筋縄ではいかない。

でも、われわれ消費者側にもできることも

すくなからずあるかも知れません。

在庫を生かす

今年の夏、「ゲオ」がオフプライスストアを

オープンさせたこともあり、国内にも

リセールの波がやってきている感じはありますよね。

過剰な大量生産を防ぐ

「売れるだろう」

「流行だろう」

いわゆる「~だろう」

気候の面でも市況は読めないがゆえ

この構図がつづき、そろそろテクノロジーも進化してるのだから

AIの技術なんかも使ってみるのはどうだろう?

ファッションの世界では、人間の感情をAIでなんて。。。

「ニュートラルポケット株式会社」の

非常に画期的な試みで、

消費者のトレンド分析を可視化する

Fashion Analysis

AIが、SNSをはじめ、ネット上で公開されている

ファッションに関する写真を分析するサービス。

はたして、過剰生産の歯止めに担い手となるのか

面白い。

製造過程の公開

道の駅の食品売り場では

生産者のコメントや写真付きで販売されてます。

アパレル製品にも最近は

似たような動きもあります。

デザイナーのコメント止まりだったものが、

繊維メーカーから、縫製工場のコメントまで

HPで公開しコアな顧客の獲得、

受注生産のかたちをとることで

作り置きの在庫を持たない。

これは、大手アパレルでは実現が難しい部分は

ありますが、元々アパレルの仕事は

小さなアトリエで家族経営などで成り立っていた

ところもあるので、

なんか、原点に戻ってきているのかも?

なんて気持ちにもなります。

インターネットの発達で、個人間のコミュニケーションが

非常に用意な時代です。

顔も名も知らない人が作った服より

製作者とコミュニケーションがとれた服には、

やっぱり魅力があるものになるのかも知れませんね。

少し前の「ハンドメイドブーム」のように

過剰に膨らんだ市場が

整備されていくのかもしれませんね。

まとめ

最後まで、読んでいただきありがとうございます。

現状の問題を把握し、今後の動向に目を向けることは

非常に大切なことです。

「グリーンウォッシュ」という意味はご存じですか?

うわべだけのエコを謳うマーケティングのことなんですが、

世界のファッションの動向が今抱えている問題に

取り組もうと動いているのですが、

このブランドは果たして?

売り上げを多く上げたいがために

このような謳い文句の中身は

今の問題をなんら解決に向けてないなんて製品も、

でまわるでしょう。

服が安く、たくさん買えてバンザイ!

の感情。

僕も洋服、ファッションは大好きな人間ですから、

感情は理解できます。

ただ、

常識離れした安い商品の背景には、

いくつもの、目をそらしてはいけない現実があることに気づいてもらいたい。

Follow me!

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール
PAGE TOP